Tecrhyme

“課題”ではなく“伸びしろ”と捉える―「見える化」から始まった、未来を描ける職場づくり。

株式会社サイトー様

株式会社サイトー様とは、当社代表の杉浦がテクライムを創業する以前よりご縁があり、当初は「技術継承支援サービス」のコンサルティングを実施しておりました。その後、5S改善や業務の可視化といった組織課題にも取り組まれる中で、「GENBA SCOPE」の導入をご決断いただきました。第三者の視点による業務の見える化とフロー整理を通じて、部門間の境界や属人化していたノウハウが明確化され、現場全体で効率化と再現性のある仕組みづくりが進行しています。さらに、AIを活用した見積業務の支援も行い、ロジカルかつスピーディな見積作成が可能となるなど、生産性向上と人材の有効活用に大きく貢献しています。

株式会社サイトー
会社名 株式会社サイトー
本社所在地 愛知県名古屋市昭和区明月町2-6-1
設立 1964年9月
従業員数 50名(2025年8月現在)
事業内容 焼成炉、ロールミルの設計、製造、付帯サービス(補修部品の供給及び技術情報の提供)過酸化水素ガス除染滅菌装置の設計及び製造
URL https://www.saitoh-co.com/

導入の背景

出会いのきっかけと、最初の課題意識。

テクライムさんには、もともと「技術継承」の支援をお願いしていたんですが、その中で自然と現場の改善の話題も増えていきまして。

あるとき、他社の工場を見学させていただく機会があったんです。びっくりするくらいキレイに整っていて、「うちはこのままでいいのか?」と危機感を覚えたのを今でも覚えています。

それで「誰か良いコンサル知りませんか?」と杉浦さんに相談したら、「それ、うちでできますよ」と言われまして。そこから本格的な取り組みが始まりました。

お願いしたのは、いわゆる「5S改善」というのは、整理・整頓・清掃・清潔・しつけの頭文字をとったもので、製造業の環境改善において基本中の基本とされている考え方です。
ただ、基本とはいえ、実践しようとすると意外と難しい。

私たちも以前から「なんとかしたい」と思ってはいたんですが、何から手をつけるべきか分からない状態でして。
特に、仕入れた部品を探すのに時間がかかるとか、いつのまにか無くなってしまっていたとか、そういった細かな“ムダ”が積み重なっていたんですね。
こういった現場のロスをなくすためにも、まずはテクライムさんにお願いして「可視化」から始めて、課題を抽出していくことになりました。

左から 株式会社Tecrhyme 串間 隆志、株式会社サイトー 代表取締役社長・齋藤 充廣 さん、COO 兼 工場長・武末 健志 さん 左から 株式会社Tecrhyme 串間 隆志、株式会社サイトー 代表取締役社長・齋藤 充廣 さん、COO 兼 工場長・武末 健志 さん

導入効果

見える化から始まる「自分たちの業務」の再発見

最初にお願いしたのは、部品や備品などの所在が不明確で、探す時間が多く発生していた課題の見える化でした。こういった時間のロスって、積み重なれば相当なコストになるんですよね。

実際に可視化が始まってみると、驚きの連続でした。社員それぞれが「自分のやり方が正しい」と信じてやっていることでも、プロの目から見ると「そこ、ちょっと違いますよね」といったポイントがいくつも見えてきて。やっぱり、第三者の視点って本当に重要なんだと実感しました。

テクライムのコンサルタントである串間さんからは、「このパターン、いろんな現場でよくあるんです。だから必ず解決できます」と言われて、非常に心強かったのを覚えています。

「中小企業というのは、制度や仕組みで成り立っているというより、社員同士の信頼関係や“良心”でなんとかまわっている部分が多いんですよ」とも仰っていて。確かに、これまでは“阿吽の呼吸”みたいなところに頼っていた部分が多かったと思います。

でも、そうした空気感や信頼だけに依存するのではなく、業務の中にきちんと“仕組み”をつくっていく。時には不満や違和感も丁寧に拾い上げながら、それを見える形にして整理していくことで、はじめて全体の効率や生産性が上がっていくんだということに気づかされました。

導入効果
部署を越えた“理解と信頼”の広がり。

GENBA SCOPEでの見える化によって、部署間の「ここから先はあっちの担当」といった暗黙の境界線が、少しずつ取り払われていきました。

以前は、誰がどこまでやるのかが曖昧で、ヌケモレや二重対応が起きていたんです。でも今は、各業務の担当や進捗が全員に共有されている状態になり、業務の流れが“組織の共通言語”として社内に浸透し始めています。

「うちの仕事って、こんなに多くの人が連携して進めていたんだ」と、社員自身が自覚を持てるようになった。これは非常に大きな変化です。
印象的だったのは、購買業務を一手に担ってくれているスタッフの仕事ぶりを、初めて“見える化”できたことです。
「この会社は今は繁忙期だから、別の取引先に頼もう」など、価格だけでなく流通状況も踏まえた判断をしてくれていた。
そうした仕事の背景に、経験と工夫があると改めて知ることができました。

こういうのって、本人に聞かないとわからない。でもGENBA SCOPEがあると、業務の構造として見えてくる。
それをチーム全員で共有できるようになったことが、すごく良い“組織の循環”につながっています。

部署を越えた“理解と信頼”の広がり。
「現場改善×AI活用」で、生産性140%へ

GENBA SCOPEの導入によって、例えば「部品や工具を探す時間がなくなった」「業務フローの見直しで無駄な手戻りが減った」といった、目に見える生産性向上が生まれました。

こうした現場レベルでの改善に加えて、実はテクライムさんには以前からAIを活用した見積作成支援にも入っていただいています。

当社は、ファブレスメーカー(※)向けに専用装置の製造・納品を行っているのですが、その際に発生する「必要な部品点数」や「組立工数」などを踏まえた費用見積もり業務は、従来はベテラン営業の経験と勘に大きく依存していました。

AIを導入してからは、過去の類似案件データや部品の単価、工数実績などを即時に分析し、誰でも根拠ある見積もりを作成できるようになりました。これにより、属人化の解消とスピードアップが同時に実現し、全体としての業務生産性は感覚的には140%くらいまで向上した実感があります。

GENBA SCOPEによる現場改革と、AIによるナレッジ活用。この両輪がうまく噛み合ったことで、組織全体の改善力と利益率が確実に底上げされたと感じています。

※ファブレスメーカー:自社では工場を持たず、製品の企画・設計のみを行い、製造は外部に委託しているメーカーのこと。

今後の展望

「課題」ではなく「伸びしろ」と捉えられるように。

見える化を通して改めて感じたのは、私たちが抱えていたのは「問題」ではなく「伸びしろ」だったということです。

最適化によって、今いるメンバーのままでもっと利益を出せる。その実感が持てたことで、
「コンサルティングにかかる費用も、もはや“コスト”ではないな」と思えるようになりました。

次の世代へと引き継げる、“仕組み”と“資産”を。

うちは、会社の歴史こそ長いんですが、メンバーの入れ替わりもあり、最近になって管理職になった社員も多いんです。これまでは「なんとなくのやり方」で乗り切ってきた部分もありました。

でもGENBA SCOPEを導入したことで、いままで曖昧だった仕事の流れや役割分担が“見える化”され、ようやくみんなが同じ地図を見ながら仕事ができるようになったと感じています。

「どうしたらいいのか分からない」から動けなかった社員たちも、やるべきことが明確になれば、自然とやる気を出してくれる。そういうポジティブな循環が生まれてきました。

そして今は、もっと良くなる未来を描けています。

AIの活用をはじめ、現場の知恵やノウハウを“属人化”させずに“仕組み”として整理し、次の世代にも引き継いでいけるような“会社の資産”にしていきたいと考えています。

GENBA SCOPEは、そのための第一歩として、非常に有効なツールでした。中小企業だからこそ、こうした可視化と最適化の取り組みが必要だと思います。現場で自然発生的に蓄積されてきた知恵を、会社全体で共有し、育てていく。そして、次の成長へとつなげていく。それが、私たちの目指す会社の未来です。

※掲載の内容は2025年8月当時のものです。

次の世代へと引き継げる、“仕組み”と“資産”を。
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